化学分解工法は、VOCsやシアン等の汚染土壌に酸化剤や還元剤を攪拌混合し、VOCsやシアン等を化学的に分解する工法です。
VOCsは、指定されている物質のうちベンゼンを除いた10項目が有機塩素化合物です。また、シアンは炭素と窒素の化合物です。
有機塩素化合物は塩素の結合を、また、シアンは炭素と窒素の結合を断ち切ってやることにより、毒性の小さな化合物に変化させることが可能です。(ただし、シアンは錯体となっている場合は化学分解が困難な場合があります。)
化学分解工法は、酸化剤や還元剤を用いて、これらの結合を断ち切ります。化学分解は反応が比較的速いため、短期間で浄化効果を確認することが可能です。
下図はテトラクロロエチレン(PCE)の塩素が順次離れ、トリクロロエチレン(TCE)→ジクロロエチレン(cis-1,2-DEC)→ビニルクロライド(VC)と変化し、最終的に二酸化炭素、水、塩素に分解される様子を示しています。
■確実に浄化
浄化進捗状態を直接把握しながら浄化確認を行い、全量を均一な品質で浄化することが可能です。
■現場対応が容易
小規模汎用機械で対応することが可能です。
■不透水性土壌にも対応可能
物理的に酸化剤や還元剤を混合するため、不透水性土壌にも対応できます。
■安全性が高い
土壌中で穏やかに分解して酸化力を発揮する特徴があり、環境への影響も少ない安全な工法です。
@酸化剤準備
汚染状況により使用する酸化剤・還元剤を選択し、事前試験で確認します。
A土壌掘削・酸化剤散布
目視により均等に散布し、混練状況を確認します。
B土壌ガス回収装置設置
ガス回収を並行して行うことで効果をあげます。
C養生(土壌ガス回収)
ガスの拡散防止を行います。
深部の汚染に対しては、掘削費用を軽減するため、すっからか〜ん工法・土壌ガス回収(垂直)・注入工法・原位置混合処理工法・バイオレメディエーションとの併用も考えられます。