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冷却塔(クーリングタワー)の冷却水・循環水処理 orange_bar

バイオフィルムって何?


バイオフィルムって何

まずは、「レジオネラ属菌」だけに限らず、「微生物」の増殖・大量発生を語る上で外せないのが、冷却塔・配管系・熱交換器内に生成される
「バイオフィルム(生物膜)」です。

基本的に「冷却塔」に注がれる水の種類としては、「水道水」「工業用水」、また 「井水(地下水)」等、エリア、業種、用途によって様々でしょう。まず、これらの水は、ある程度メイクアップ(処理)したとしても「全くの無菌」ではありません。

そして冷却塔はその水を冷やすために、空間中から風だけではなく「藻類(胞子)」や「微生物そのもの」も一緒に吸込んでしまいます。
(※微生物には「低〜高温菌」と多種類あり、冷却塔も数多くのスペック(仕様)がありますが、ここでは最も一般的なケースでお話しいたします)

夏場、冷却水の温度は、「37℃」で入って冷却塔内に入り、塔内で「-5℃」冷やされ、「32℃」で再び冷凍機へ冷却に向かいます。
実は、この温度域、「微生物が増殖する最適な温度」と一致します。(36℃前後)

そこで、冷却水には病原菌等の微生物を殺菌する為に、塩素剤等の「殺菌剤」を添加する訳ですが、この殺菌剤の設定濃度が不足、殺菌剤の有効成分の不足、また、何らかの問題で殺菌剤が出ていなかった、効力が低下していた等の場合、「バイオフィルム(生物膜)」が生成されます。

配管・冷却塔(クーリングタワー)内にバクテリアが付着する。

この時点で水中に殺菌成分が行き届いていれば、バクテリア(レジオネラ菌など)を殺菌できる。

「煙の段階で消す」とは、まさに、このタイミングです。 このタイミングであれば、「経費」も「労力」もそれほど必要としません。


バクテリアが EPS (細胞外多糖) を分泌しスライムとなり、やがて「保護膜」を形成する。

これを「バイオフィルム」(生物膜)」と呼び、「シスト化される」と言います。

一度、バイオフィルムでシスト化されると、どんなに優れた殺菌剤を使用しても、バイオフィルム内部にまでアタック出来ません。 従いまして、この後に慌てて塩素などを高い濃度で投与しても、バイオフィルム内部のバクテリアは生存し続けています。


バクテリアはさらにフィルム(膜)を厚くし 「Colony」 (コロニー) を形成する。

バクテリアは、水中の窒素化合物 (N) をエサにして、さらに増殖・巨大化を始めます。
正確には、「窒素」「硫黄」「リン」等)

Colony (コロニー) とは、 複数種のバクテリア(レジオネラ属菌含む)が生息し、 内部でコミュニティーを形成していると考えられている、言わば「細菌の温床 (おんしょう)」です。


Colony (コロニー)内部が過密になると、やがて破裂し、バクテリアが一気に放出される。

まさにこの瞬間に、水中の殺菌剤成分濃度が不足(能力低下含む)していた場合、生きているレジオネラ菌などが放出される訳ですが、この環境下で培養されたバクテリアは塩素に対して「耐性」をすでに獲得している事が知られています。 これが繰り返し放出されると言う訳です。

また、 シスト化されたまま(保護された)分離し、水中を浮遊するケースもあります。この場合、バイオフィルムで自身を守ったまま水中を浮遊するので殺菌成分は内部にまで届きません。


鉱物系障害(スケール障害)もそうですが、生物系障害(バクテリア・藻類障害)はさらに生成スピードが早いです。水質や環境にもよりますが、実に「数日間の間」にバイオフィルムは出来上がってしまいます。 いかに「煙の段階で消すか」が鍵になります。

前述、「殺菌剤の有効成分の不足」等と記述しましたが、これは一体どういう事なのか? 簡単にご説明いたします。



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