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冷却塔(クーリングタワー)の冷却水・循環水処理 orange_bar

PH・水中「リン+窒素」濃度と「レジオネラ属菌」の関係


PH・水中「リン+窒素」濃度と「レジオネラ属菌」の関係


厚生労働省健康局生活衛生課
健衛発第95号 レジオネラ症防止対策より

一般的に「塩素」と呼ばれる殺菌剤は、次亜塩素酸ナトリウムです。この「塩素」は化学変化により2種類に分類できます。それは、「結合塩素」と「遊離塩素」です。殺菌効力が強いのは、この遊離塩素の方で塩素が結合した場合、ほとんど殺菌効力は失います。

結合するのは、「硝酸態(窒素)」「亜硝酸態(窒素)」「アンモニア性(窒素)」などの窒素化合物 (N) 。また、仮にこの遊離塩素があったとしても、PHがアルカリ域の場合、殺菌効力は著しく低下してしまいます。

左図は、水質の「PH」と「殺菌効力」を示すデータですが、ご覧の様に、塩素剤で強い殺菌効力を持つ「遊離塩素」は、

「PH7.5」の水質環境の中では、その効力は半減。 (50%まで低下) 
「PH8.0」なら26%(約1/4)まで低下。

冷却水は濃縮いたしますので、もちろんPHは「アルカリ」に向かいかます。皆様の冷却水もPHは「7.5〜8.9」あたりで運用しているかと思われます。そして「窒素濃度」が高い水質であれば、より遊離塩素を出すために添加量を多くしなければなりません。



裏を返せば、「濃縮率が高すぎる(アルカリ)」「リン・窒素濃度が高い」水質は、「バクテリア・藻類」の障害が発生しやすいと言う事です。
殺菌剤として、次亜塩素酸ナトリウムを添加すると、「アンモニア」などの窒素化合物と結合し、クロラミンと言う成分になり、その殺菌効力が急激に低下します。次に、辛くも生き残った(クロラミンにならなかった)「遊離塩素」は冷却塔で濃縮された水が示すアルカリ性のPHで、その効力を十分に発揮しません。

それを補う為には、ジャブジャブと大量に添加しなければ、 「殺菌効力」を確保出来なくなります。こうなると、次は「設備の腐食」が心配になって来ます。薬剤注入装置から添加される、1種類で「スケール防止」「金属腐食防止」「殺菌剤」の役割をこなすとする「オール・イン・ワン・タイプ」の「複合処理剤」と言われる「有機化学水処理剤」がありますが、結局、これだけではあまり殺菌効果が上がらず(殺菌効力を維持できない)、別途、殺菌剤をバックアップ剤として入れざるを得ないのが現実です。

やはり、『ラボ(研究所)でのテスト結果』と『本番環境』では違います。

藻類に関して言えば、いくら有機物を除去しても、水中の「リン・窒素」の濃度が高い限り「水、及び空気中」の二酸化炭素、太陽光から次々に有機物が生成され、要するに「いたちごっこ」になります。

下記の数値は、学術的に発表されている「主な水生植物に対する栄養塩の要求量/供給量比」です。


元素
水棲植物の要求量(%)
水からの栄養塩供給量(%)
要求量/供給量 (約)
O (酸素)
80.5
89
1
H (水素)
9.7
11
1
N (窒素)
0.7
0.000023
30,000
P (リン)
0.08
0.000001
80,000

水棲植物が育つには、「窒素:0.7%」・「リン:0.08%」の量が必要となる。
これに対して、単純な「水」であれば「窒素:0.000023%」・「リン:0.000001%」の量しか与えられない。

つまり、単純な水であれば、水棲植物が育つには、「栄養が足りない」と言う事です。しかし、そこに自らの手で「有機リン・窒素化合物」が入った水処理剤を添加してしまうと、一気に「栄養過多」になり藻類は大量繁殖し、同時に有機物も大量生産されます。

:「藻類障害」「レジオネラ増殖リスク」をなくすには、栄養となる水中の「リン・窒素濃度を落とす」事です。


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