業種、施設によってそのレベルは違いますが、日常管理として計測器で何らかの水質の管理をされているかと思います。定期的に水質分析に出されるべきなのですが、施設によってはあまり関心がない方もいます。最低でも計測したいのが@電気伝導度 A 遊離塩素 この2つです。
ここでは、「目視」としてチェックできる一つの「バロメーター」をお教えします。
それは、「泡」です。
殺菌剤を投入直後、左図の様に色が「茶色」で気泡が大きい「泡」が出て来た時は、配管経路内や冷却塔内にスライム、バクテリアが存在している、もしくは、していた。と言う一つの証明です。
これに同時に除去された「泥・土」等も混合すると水は茶色く濁り「ぷっくり」とした大きなあぶくになります。簡単に言うと「バクテリアの死骸」です。
「泡が出たから、もうバクテリアはいない」と言う訳ではなく、まだ出るかもしれません。「泡が出なくなってきたら、バクテリアとの攻防戦に対し優勢」と考えて下さい。
水が茶色く混濁して、この種の泡が多くなって来た場合、強制ブロー(排水)をかけて水を入れ替えてしまった方がいいでしょう。
出来れば塔内清掃をして、ブラシや高圧洗浄機で取れる「泥」や「土」は事前に取った方が良いでしょう。
左の写真の様に細かい「白色」の泡に「茶色」が混ざった泡は、「スライムと藻類」が混在していた、もしくは、している証明です。「ベージュ色」の場合もあります。
殺菌成分と生物系・植物系とで「一進一退」の攻防戦が繰り広げられています。
バクテリアを殺菌、藻類を除去する為に有効成分が消費されていますので、肝心のレジオネラ菌が循環水中に放出された時に殺菌効力が不足する可能性があります。
従って、この期間(治療期間)は、少し「殺菌剤の設定濃度を上げて」、小まめに強制ブローをいれ、水を頻繁に入れ替える(濃縮を上げない)管理が望ましいです。
これは、原因物質である
「スライムと藻類」がなくなれば、同じ様に泡も徐々になくなってきます。完全になくなれば、泡も完全になくなります。もちろん「スライムや藻類」の量が多ければ多いほど、「泡」の量も多くなります。
ひどい時は、冷却塔内全体が「泡だらけ」になり、水面が全く見えない状況になる時もあります。でも安心して下さい。泡は簡単に「消泡剤」で消すことが出来ます。
「殺菌効力」と現象を「泡」で見抜く。慣れてくればその泡から、何が原因で、どのくらい深刻なのか? 見抜ける様になります。
最後に復習としまして、左のプレゼンテーション動画にまとめました。
「どの殺菌剤が効く、効かない」ではなく、まずは増殖しやすい水質環境を自分自身で作らない。と言う事に尽きます。
どんなに優秀な殺菌剤を使っても、スライム、バイオフィルム、藻類、スケール成分、土(泥)、虫、落ち葉、COD成分等が大量に混入されていれば、そちらに有効殺菌成分が消費されてしまう為、肝心のレジオネラ菌が殺菌できません。
そして、
1か月に1回は冷却塔内の清掃を行いましょう。水の濃縮の上げすぎもリスクばかり増えるのに対して、節水効果もある一定の倍率以上は効果的ではない事もおわかりいただけたと思います。
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