冷却塔に注がれる「補給水」や、設置されている「場所」「風向き」によっても「リン」や「窒素化合物 (アンモニア等)」「COD成分」が混入されてきます。それは、冷却塔が設置されている「ロケーション」「方向」が関与しているパターンも多いです。
例えば、左写真は某大型商業施設ですが、冷却塔のわずか1〜2メートル範囲の場所には、「レストラン」や「パン」「菓子類」その他、食品を調理する場所からの「排気ダクト」があります。
冷却塔が稼働して入れば、当然、出てきた排気も一緒に吸い込んで冷却水に溶け込んで行きます。
これは、微生物の栄養となりスライム大量発生の原因となります。また、当然、「藻類」に対しても栄養分となり、これに日光が当たると、充填材をふさぐまでに成長が促進される時もあります。
殺菌剤によっては、有効殺菌成分がそれらの成分で消費され、肝心のレジオネラ属菌に対して有効な殺菌濃度が不足すると言う事態も頻繁に起こります。
この場合、排気ダクトの位置・向きを少し変更するだけで影響はかなり違って来ます。
左図は山岳部から吹き下ろす強風と、その間に田畑が位置する冷却塔の典型例です。
「土・泥」成分はもちろん、農作物の化学肥料 (硫酸アンモニア、尿素、過リン酸石灰、塩化カリウム等)、また、農薬成分(有機リン基剤) が強風に乗り、冷却塔に飛び込んできます。これは、もう立地条件的に仕方のない事です。
@「リン・窒素系」水処理剤を使用しない。
(無リン・無窒素水処理剤に変更する)
A 窒素を栄養成分にさせない様に他の成分に変える。
B タワーの立地条件により水の濃縮設定値を変える。
C 頻繁に冷却塔の物理的清掃を行う。
D クーリングタワー底部に堆積物がたまるようなら、
サイドストリームでフィルター・セパレーター等を設置する。
交通量の多い都心に位置するビルでも同じです。
車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx) や工場、飲食店、食堂の排気ダクト、下水道、ゴミ等、人間の生活から排出され大気中に蔓延するリン・窒素成分を巻き込み循環水中のこれら濃度は上がります。
ヒートアイランドの影響も受け、外気温も上昇しやすく、下降しずらい。→ 冷却塔の稼働率も高く、時間も長い。
@「リン・窒素系」水処理剤を使用しない。
(無リン・無窒素水処理剤に変更する)
A 濃縮度設定を落とす。
B 殺菌剤の設定値を少し上げる。
C 頻繁に遊離塩素濃度を計測する。