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循環浴槽のレジオネラ菌、配管汚れ対策 orange_bar

レジオネラ菌とは

レジオネラ属菌(レジオネラ菌)は、温泉にしかいない特別な細菌ではなく、土壌や河川、湖沼など自然界に生息する、どこにでもいる一般的な「細菌」の一種です。 ただ、近年、温泉の施設等に限らず、温水プールや空調設備、循環式浴槽水、給湯器の水など、バイオフィルム(生物膜)の発生に伴い、寄生・増殖し、死亡事故や感染事故を引き起こす深刻な社会問題となっています。

レジオネラ菌は、温水プールや温浴設備などの「39度前後」の水やお湯が停滞する環境で増殖しやすいのですが、レジオネラ菌が含まれている水やお湯を飲んでも感染すると言うわけではありません。 水の中にいるレジオネラ菌が、シャワーやジャグジーなどで空気中を舞う湯気、飛沫、霧(エアロゾル)と一緒に浮遊し、呼吸によって人体に吸い込み、肺に入ることで感染するとされています。

レジオネラ感染症は、1976年にアメリカ合衆国ペンシルベニア州で米国在郷軍人会の大会が開かれた際、参加者と周辺住民21人が原因不明の肺炎にかかり、一般の抗生剤治療を施したにも関わらず34人が死亡した事故にちなんで、「在郷軍人病」と呼ばれています。

レジオネラ感染症( Legionellosis )には、在郷軍人病( Legionnaires' disease )と、ポンティアック熱( Pontiac fever )との二つの型があります。在郷軍人病( Legionnaires' disease )は、肺炎を含む「重症」の型であり、ポンティアック熱は「軽症」の型です。

一方日本では、レジオネラ感染症は「初夏」に最も多く報告されており、暑くてじめじめと湿度が高い日本の梅雨の気候が、この時期のレジオネラ症の発生に大きく関与しているのではないかと考えられています。 なお、米国CDC (疾病管理・予防センター)の分析によると、1990年から2005年に報告があった23,076人のレジオネラ感染症患者について、秋と夏の患者数が多く、秋(9〜11月) が30%、夏(6〜8月) が29%、冬が23% (12〜2月)、春(3〜5月) が18%となっています。月別では、8月が11.2%と一番多く、2月が5.6%と一番少なかったと報告されています。

「夏」にレジオネラ感染症が多発する理由として、オフィスビルの冷房等に使用されている「冷却塔・クーリングタワー」のシーズン初めの初期稼働時や最稼働時に「衛生管理状態が悪い」設備によって、レジオネラ菌を含んだ飛散水が街・施設・居住空間に撒き散らかされる為ではないかと考えています。 日本では、温泉やプールなどでの感染事故を良く目にしますので、ここでは「温泉・温浴施設」のケースに特化して話を進めます。

レジオネラ感染症の症状は2〜10日の潜伏期間を経て高熱、咳、頭痛、筋肉痛、悪感等の症状が起こると言われています。また、レジオネラ感染症が進行すると呼吸困難を発し胸の痛み、下痢、意識障害等を併発するようです。 より症状が重いとされる「在郷軍人病」に感染すると、その死亡率は最高で30%と報告され、非常に怖い感染症です。 特に体力がなく抵抗力の低い老人・子供については深刻な事態を引き起すことが多く、また、「持病」をお持ちの方(糖尿病患者・アルコール中毒症患者)・喫煙者は病状が急速に悪化しやすいとされています。

感染者の死亡割合は「男性:約8割」「女性:約2割」と圧倒的に「男性」が多く、感染者の平均年齢は「60.8歳」と「中高齢男性」は特に気をつけたい感染症となっています。中高年男性の感染被害割合が多い理由として、●男女の喉の形状の違い●男性は女性に比べて医療機関に行きたがらないので悪化する等、諸説いろいろのようですが、今現在、明確に解明されていません。

温浴施設でのレジオネラ感染の多くは「ジャグジー・バブルジェット・滝(打たせ湯)・シャワー)などで温泉のお湯が「霧状」になって大気中に飛散されることによっておこります。

水やお湯が霧状になった状態を「エアロゾル」と呼びます。温泉にレジオネラ菌が生息していた場合、レジオネラ菌は、そのエアロゾルに乗って人体の気道から肺に侵入します。その「温泉」を誤って飲んで、感染すると言う訳ではありません。 また風邪やインフルエンザの様に「人」から「人」へは感染するものでもありません。

レジオネラ菌が肺に到達すると肺胞内に存在する 「マクロファージ(Macrophage)」に捕食されます。 マクロファージとは白血球の1種でアメーバ状の細胞ですが、その役割は体に侵入した「細菌」や「ウイルス」等を捕食し消化し分解することです。

しかし、レジオネラ菌は「通性細胞内寄生性」という特殊な菌で、マクロファージの殺菌プロセスから逃れ、ある特殊な小胞を形成することで、分解されることなく細胞内に「感染」することが可能なのです。


環境保健部環境衛生研究科 東京都健康安全研究センター
(レジオネラの電子顕微鏡写真)

【POINT】 分解はもとより、マクロファージ内で「増殖」する能力があると言う点が「レジオネラ菌」の最も恐ろしい点でしょう。

肺胞のマクロファージ内で、1つから2つ、2つから4つと「倍々方式」で増殖するので、短期間の間に相当数の「レジオネラ菌」が肺胞内で培養され、やがて細胞を破壊し肺全体に深刻な炎症を引き起こします。


外部リンク

レジオネラ症感染の過程(ArkitekStudios)

クローズアップ現代(NHK)

「クローズアップ現代」の特集の中で、強アルカリ泉に「塩素剤投入」の補完として「紫外線殺菌装置」を組み合わせた。と言う施設様が紹介されましたが、残念ながら、「塩素は強い紫外線をあてると化学構造の分解が促進」され、構造が壊れます。


レジオネラ菌が「マクロファージ内部」で増殖して行く映像
Legionella pneumophila(Timelapsevision inc.)

足立区 マンション温泉からレジオネラ菌(TOKYO MX)

大切なお客様を「レジオネラ感染」させてしまっては営業停止はもとより、 「あそこの温泉にはレジオネラ菌がいるから危険」という噂が広まり、集客・営業面で大打撃を受けてしまいます。

「患者から検出されたレジオネラ菌」と「施設から検出されたレジオネラ菌」がDNA判定において一致・立証された場合、「管理不十分」とされ、損害賠償、営業停止、最悪のケース、施設管理責任者は、業務上過失致死などの刑事責任が問われる事もあり、全てが終わりになってしまいます。

また、最近では「温泉付きマンション」、「温泉付き別荘」、「温泉付き老人デイケアサービス施設」等も人気があり、思い切って「購入」、「契約」されている方も多いかと思います。

ところが、設備の衛生管理と危機管理が少しずさんだったばかりに、楽しみにしていた温泉で「子供」や「お年寄り」がレジオネラ感染して死亡したら、「無念でやりきれない」思いでいっぱいでしょう。  それでは、この恐怖の「レジオネラ菌」。  一体、どの様な環境で増殖するのでしょうか?

日本国内の一般的に多い「温泉(泉質等)」と、「レジオネラ菌増殖の条件」、「レジオネラが増殖しやすい設備」を具体的に組み合わせて検証してみましょう。

レジオネラ菌と温泉

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